オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーin日本武道館 ライブ・ビューイング


ライブビューイングというもの自体が初めてだったんですけどめっちゃくちゃ楽しめました。劇場に入ってから周りの観客を見回して「この人たちみんなリトルトゥースなんだ...」という不思議な感覚に陥ったんだけど、さらに開演前のスクリーンに写った1万2千人のリトルトゥースを見たらもう圧巻だったよね。胸が熱くなったもの。数字で聞いてもピンと来なかったけど、目の前に広がる光景がすごくて思った。「オードリーのオールナイトニッポン」はラジオ史に残る番組で、私達はこれから伝説を目撃しようとしているのだと。


オードリーの二人が登場して会場が盛り上がる。
私のテンションももちろん上がっているんだけど、いかんせんライブビューイングなので、拍手したり歓声を上げたり出来ない。他の会場はどうだったのか知らないけど、この時点ではまだ名古屋会場は静寂である。仕方なく心の中で歓声を上げる。私も「お弁当に」「グー」って返したかった。他の観客のことなど全く気にせず喜びを表現出来る空気の読めなさがほしい。


この時は本当に武道館にいる人達のことが羨ましくてしょうがなかったんだけど、二人が着席し、トークが始まるとこちらの会場にも笑いが起こり全く気にならなくなった。武道館とライブビューイング会場の温度差がどんどん無くなっていく。
オープニングの二人のトーク、若林のトーク、春日のトークという構成もいつも聞いているラジオそのままだ。若林のニチレイのナレーションもそのままで、CMも入ったりして、本当に目の前でラジオの収録をやってくれているような感じだ。普段は耳でしか聞いてないので、いつも二人はスタジオでこんな感じなんだなあと思う。


オープニングで若林が
「僕たち、本気で内輪受けやりに来てますから」
かましてくれてたけど、まさにその通りのイベントであった。
もちろん会場にはリトルトゥースしかいないわけで、それも拍車をかけていたとは思うけど、この番組はわりと普段からそういう感じではある。春日のフィリピンパブとか中川パラダイスとかエロパソの話とかはもう定番だ。あとこの番組で産まれた言葉とかもたくさんあって、リトルトゥースの間でしか通じない笑。


例えば若林の父親は亡くなっているんだけど、それをいつも二人は「隠れた」と表現している。優しさなのかイジリなのかよく分からない。まあとにかく、3年前若林の父親が隠れて、お骨をどうするかってなって、若林は父親にどうしてほしいか聞くためにイタコに会いに秋田まで行ったらしい。意外とアクティブだな、若林。
前半のフリースイタコの完璧なインチキっぷりにも笑ったけど、後半のガチのイタコになぜか若林が号泣したところで一番笑った。イタコをバラエティータレントに例えて受け止める力がすごいと笑。あと若林の家族がスピリチュアル寄りなのも意外で笑ったよ。


他にもこの番組で生まれた素敵な言葉と言えば、やっぱり「狙ってる女」「狙い合ってる」なんだけど、次の春日の話はまさに狙女との話だった。もうね、ゲス過ぎるわ、若林のチャチャが面白すぎるわで、30分あっという間だった。高速道路を越えるくだりとか、1回4万のところが男子校ノリすぎてそこでもめっちゃ笑っちゃったのに、さらに両家の食事会までエピソード続くんだけど、本当に面白い話って時間を感じないし、何回でも聞きたくなるんだなって思ったわ。
クレイジーと真面目を持ち合わせた春日の特異性がいかんなく発揮された逸品なエピソードトークであった。


この話が終わって、会場が笑いに包まれながらもどこか暖かい雰囲気になったのは話がとても面白かったこともあるけど、この話をまず私達リトルトゥースにしてくれたからじゃないだろうか。こんな人生に関わる一大事を、こんな面白いネタにして温めてくれていたことに、長年かけて培われた信頼関係を感じたからじゃないだろうか、なんて思ってしまった。


二人のトークが終わり、企画が始まる。
ゲストの松本明子の足が意外とキレイだった。シークレットゲストの梅沢富美男の登場に会場も盛り上がる。そしてこの日1番盛り上がったのは 
まさかの春日の狙女登場!!
会場騒然。
さっきの話はこの時のための伏線やったんか!


最後にスーツに着替えて漫才。
もうあまり見ることが出来なくなった二人の漫才が久しぶりに見られて嬉しい。本題の春日が瞬間移動できるというネタはさっきの若林のトークもちょっとフリになっていて面白かった。でも私は最初のほうの二人の黒歴史の話にすごく笑った。IKEAの椅子とか笑。そう言えばそんなことあったな、二人とも色々やってんな、特に春日。


二人は今40で、彼らは丸々30代をオールナイトニッポンと一緒に過ごしてきたことになる。
始まった当初はこの番組がこんなに長く続くなんて本人たちが一番思ってなかっただろう。
オードリーの人気をここまで安定したものにしたのは間違いなくこの番組のおかげである。


ブレイクした当初、二人はいわゆるキャラ漫才というものをやっていて女性人気が高かった。しかしラジオが始まってみると、春日は作っていたキャラよりも素のほうが遥かにクレイジーだし、若林はかわいい顔に反して中身は猛毒。二人とも完全アウト。
それが良かった。特にラジオは男性のほうが聞いている。男性人気をものにした芸人は息が長い。
私は女だけど、男性にとってオードリーの会話は共感出来る部分も多いのだろうなと思う。



ラジオにはハガキ職人やリスナーと共に作り上げる番組もたくさんあって私はそちらもものすごく好きだ。予想外な展開になったりすることもあるし、自分も参加している気分になるからだ。
一方で「オードリーのオールナイトニッポン」はオードリー二人の会話を私達リスナーがずっと聴いている形になる。冒頭で二人で30分、若林が30分、春日が30分ただただしゃべり続ける。たまにゲストが来ることもあるけど基本的にこの形だ。シンプルといえばすごくシンプル。シンプルなのにバラエティーなんかよりも濃い時間を過ごしてるように感じるのは、二人がテレビで出せないゲスさをここで発散するかのようにめちゃくちゃに出しちゃってるところ、そしてオードリーの男子校ノリが本物なところにある。学生時代から二人だけの会話のリズムや役割が自然と出来上がっていて今でもそのままなんだろうなって感じ。空気を読むことが苦手な私は、空気を読むことが何よりも大切なこととされるテレビを見ると現実に引き戻されてしまうことがあるので、ラジオでのこの二人の空気感に心地よさを感じる。


10年間で変わったこと(若林が人見知りじゃなくなった)もあれば、変わらなかった(春日が今でもむつみ荘に住んでいる)こともある。彼らにとって変わったことと、変わらなかったこと、どちらが多いのかといったらきっと変わったことのほうが多い。春日もついに結婚するし、これからも変わり続ける。
でもさ、ラジオで悪ノリするのだけは死んでも止めんじゃねーぞ!